京都大学創立125周年記念アカデミックマルシェ

2022年6月ロームシアター京都にて「京都大学創立125周年記念アカデミックマルシェ」が開催され、化学研究所から“フィルム太陽電池を搭載した発電テント”が出展された。

“次世代太陽電池材料“と世界的に注目されている“ペロブスカイト材料”を使用した最新の試作品は、約400㎜×1000㎜を2枚連結し、2mのソーラーシートを実現している。

産官学連携の国家プロジェクトである“京大COI”の参画メンバーとして、プログラム満期まで7年間共同研究に参加した私も、スタッフとしてマルシェに参加した。

将来研究者を目指す高校生から、過去に太陽光発電や化学研究に携わられた年配の先輩方まで、多数の来場者の接客をする中で、ペロブスカイト太陽電池への関心度の高さを改めて実感した。

ペロブスカイト太陽電池が市場に投入されるには、まだしばらく時間が掛かりそうだが、今では基礎研究の段階を脱し、製品化に向けての“開発”が着実に進んでいると感じている。

若宮教授率いる京都大学の研究グループは、実稼働するペロブスカイト・ソーラーシートとして、私の知る限り、全国で最大級のプロトタイプの製造を達成している。これは研究室の叡智と、参画企業の技術により実現した、誇らしい実績だと思う。

フィルム型太陽電池でありながら結晶シリコン太陽電池並みの変換効率を実現する、夢の太陽電池が早期に市販される事を期待しつつ、今後も「フィルム太陽電池研究コンソーシアム」の幹事企業として、開発や運営のサポートをして行きたいと考えている。

【研究開発コラム001】2022年8月24日 田邊雅永